労災保険制度の在り方に関する論点整理が行われました(2025/6/20)
6月17日、第7回労災保険制度の在り方に関する研究会が開催され、労災保険制度の在り方に関する論点整理が行われました。
本研究会では、労災保険制度について社会・経済の動きに応じて見直しや新たな対応が必要なものはないか等を議論しており、次の3つに関する論点が示されています。
●適用
●給付
●徴収等
具体的には、下記のような意見があります。
Ⅰ 適用
1 労災保険の適用範囲
→ 労働者以外の就業者に労災保険を強制適用することについて
→ 労働者以外の者に適用する場合の保険料負担について
2 家事使用人への災害補償責任および労災保険法等の適用
→ 家事使用人に労働基準法が適用される場合には、災害補償責任および労災保険法も適用することが適当
→ 具体的な適用においては、事務負担の軽減等の課題を精査する必要がある
3 暫定任意適用事業
→ 強制適用すべき
→ 全面適用とするには課題があるが、適用事業の把握の困難性や事業主の事後負担などの課題に関する解決可能性の検証が必要
4 特別加入団体
→ 災害防止措置の実施を義務付けることについて
→ 法令上に特別加入団体の要件や手続きを明確化することについて
Ⅱ 給付
5 遺族(補償)等年金
→ 趣旨・目的について
→ 生計維持要件について
→ 労働基準法の遺族補償との関係について
→ 夫と妻の支給要件の差について
→ 給付の期間について
6 遅発性疾病に係る保険給付の給付基礎日額の算定方法
→ 就業期間中に発症したケースでは、発症時の賃金を給付基礎日額の算定根拠とし、それが最終ばく露事業場の離職時賃金に満たない場合には最終ばく露事業場の離職時賃金を給付基礎日額の算定根拠とすることについて
→ 未就業中に発症したケースで、最終ばく露事業場の離職時の賃金をもとに給付基礎日額を算定することについて
7 災害補償請求権・労災保険給付請求権に係る消滅時効
→ 消滅時効期間の見直しの要否について
→ 何らかの手当を行う場合に考え得る方法について
→ 他の社会保険制度と労災保険制度との相違について
8 社会復帰促進等事業
→ 特別支給金の処分性性については、不服申立ての機会の必要性を踏まえ、認めることが妥当
→ 特別支給金の保険給付化について
→ 社会復帰促進等事業に係る不服申立ての取扱いについては、労働保険審査官及び労働保険審査会法の対象とすることが適当
Ⅲ 徴収等
9 メリット制
→ 災害防止の効果について
→ 算定対象について
10 徴収手続と使用者への情報提供
→ メリット適用事業主への労災保険率の算定基礎となった情報提供について
→ 支給決定(不支給決定)の事実を事業主に伝えることについて
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